パスタで強い橋を作るパスタブリッジゲーム「Pasta Bridge Challenge」

zairiki

このサイトやYouTubeチャンネルでは材料力学や有限要素法(FEM)に関する内容を紹介しています。今回は、有限要素法を用いて、パスタで強い橋を作るパスタブリッジを模擬したゲーム作成しました。無料・登録不要・インストール不要で、PC・スマホなど様々な環境で動作します。ゲームを楽しみながら、有限要素法や材料力学を知っていきましょう!

▶ ゲームを始める

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

パスタブリッジとは

「パスタブリッジ」は、パスタで作った橋の強度を競うものづくりコンテストです。乾燥パスタを接着剤(ホットボンドなど)で組み立てて橋を作り、荷重をかけていって、橋が壊れる限界の荷重(限界荷重)の大きさを競います。トラス構造や材料力学を学べる題材として、教育の場でも親しまれています。

このゲームは、そのパスタブリッジを2次元トラス構造として模擬したものです。画面上でいろいろな橋の強度や座屈し易さを試すことができます。

ゲームの目的(ブリッジの最適化問題)

設計領域のグリッド上にパスタを渡して橋を作ります。両端は支点で固定され、中央に下向きの荷重がかかります。目的は、スコア「限界荷重 ÷ 自重」を最大にすることです。少ないパスタ(軽い橋)で、より大きな荷重に耐えられるほど高得点です。具体的には次式で、自重の何倍の荷重を支えられるかを表す無次元の値です。

スコア = 限界荷重 [N] ÷ ( パスタ重量 [kg] × 重力加速度 [m/s²] )

■ 制約条件

  • 使用できるパスタの重さ:最大 15 g
  • パスタ1本の長さ:最大 250 mm
  • 束ねられるパスタの本数:最大 3 本
  • 部材の交点はすべてピン接合(自由に回転)

限界荷重の求め方

限界荷重は、次の 荷重①荷重②小さい方を用いて、橋が座屈も破壊もしない限界の荷重を求めます。(座屈を考慮しない設定では②を使用)

  • 荷重①:いずれかの部材が座屈する荷重
  • 荷重②:座屈を考慮せず、最大応力 = 許容応力になる荷重

操作方法(ブリッジ作成時)

  • 部材の配置:グリッドの2点を指定(ドラッグ)してパスタを1本渡します。
  • 束ねて太くする:部材をクリックすると 1本 → 2本 → 3本 → 1本 … と本数が変わり、線の太さで表されます。太いほど座屈・強度に強くなりますが、その分重くなります。
  • 追加/削除の選択:パスタを追加するか、削除するかを切り替えます。
  • グリッド幅の選択:配置点の間隔を選べます。
  • 座屈考慮の有/無:座屈を考慮するか選べます(デフォルトは「有」)。
  • 計算の実行:ボタンを押すと有限要素法で計算します。
  • Undo / Clear:直前の操作を取り消す/すべて消す。
  • 拡大/縮小効果音の調整パスタの物性値の表示なども用意しています。
画面説明:ブリッジ作成時の各ボタンと操作

計算結果の見方

計算すると、スコア荷重①(Buckling limit load)荷重②(Strength limit load)パスタの重さなどが表示されます。変形図も表示され、倍率を調整できます。

荷重①(座屈)をクリックすると、はじめに座屈する部材が赤で表示されます。荷重①がスコアを決めているときは、この部材の座屈を防ぐ構造に改善してください。

計算結果の表示①(座屈する部材を赤で表示)

荷重②(強度)をクリックすると、応力分布が色で表示され(青=圧縮、赤=引張)、最大応力が生じる部材に★が付きます。荷重②がスコアを決めているときは、この部材の応力を低減する構造に改善してください。

計算結果の表示②(応力分布と最大応力位置の★)

ブリッジの例

橋の形にはいろいろなアイデアがあります。ここでは代表的な3つを紹介します。色々なブリッジを考えてみましょう!

ブリッジ例((a)箱型 (b)タワー型 (c)アーチ型)

計算方法

全節点がピン接合の2次元トラス構造として扱い、有限要素法(FEM)を用いて荷重1 Nで各部材に生じる軸力を弾性計算します。その結果から、

  • いずれかの部材がオイラーの座屈荷重に達する荷重を荷重①
  • いずれかの部材の応力が許容応力に達する荷重を荷重②

と定義し、その小さい方を限界荷重としています。

計算方法(FEMで軸力を計算し、荷重①・荷重②を定義)

注意点

■ このゲームで考慮していない現象は多く、実際に作るブリッジとの差異に注意してください。

  • 例)3次元の形状や変形、パスタの曲げ変形、ボンドの量や重さ、接合部の強度、組み立ての精度、形状や材料のばらつき、など

■ 簡易的な線形計算のため、計算結果の解釈にも注意してください。

  • 1つ目の部材が座屈や破壊する荷重を求めており、その後の挙動は計算しません。
  • 変形の表示倍率を大きくすると、不自然な形状になります。

お願い

謝辞

今回のゲーム作成には、東京大学大学院工学研究科機械工学専攻 泉聡志教授にご協力いただきました。

まとめ

  • パスタで強い橋を作る「パスタブリッジ」を模擬した、2次元トラス構造のパスタブリッジゲームを作成。
  • 橋の破壊や座屈を防ぎながら、自重に対してより大きな荷重を支えられる橋ほど高得点。使用できるパスタの量や長さには制限あり。
  • ゲームを楽しみながら、橋の形を変えると応力分布や座屈のしやすさがどう変わるかを体感できる。有限要素法や材料力学に関心を持たれたら、ぜひ他の動画もご覧ください。

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YouTube動画でより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

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