材料力学用語辞典では、材料力学で出てくる専門用語を分かりやすく紹介しています。今回の用語は「梁の塑性曲げ」です。
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梁の塑性変形の進行と塑性ヒンジ
梁の塑性曲げ。曲げモーメントが大きくなると断面の塑性域が広がり、断面全体が降伏すると塑性ヒンジが形成される。
材料が弾完全塑性体の梁に曲げモーメントが作用すると、はじめは断面全体が弾性変形します。モーメントが大きくなると、中立軸から最も遠い表面の応力が降伏応力 σy に達して塑性変形が始まります。さらにモーメントが大きくなると塑性域が中立軸へ向かって広がり、最終的に断面全体が降伏します(全塑性)。
全塑性に達した断面は、それ以上の曲げモーメントを支えることができず、ヒンジのように自由に回転できる状態になります。この状態を塑性ヒンジといいます。
塑性崩壊
梁の塑性曲げの進行。弾性変形から始まり、表面から塑性変形が広がり、断面全体が塑性変形すると塑性ヒンジとなり塑性崩壊に至る。
塑性ヒンジが形成されると、そこが起点となって構造が崩壊する塑性崩壊が生じます。ただし、静定はりと不静定はりでは崩壊条件が異なります。
- 静定はり:塑性ヒンジが1か所生じると構造が不安定になり、塑性崩壊します。
- 不静定はり:拘束条件が多いため、塑性ヒンジが1か所だけでは崩壊しません。塑性ヒンジが複数か所に生じることで塑性崩壊に至ります。
まとめ
梁の塑性曲げのまとめ。
- 曲げモーメントが大きくなると、梁の表面から中立軸に向かって塑性変形が進む。断面全体が降伏すると塑性ヒンジとなり、それ以上曲げモーメントを支えられなくなる。
- 塑性曲げでは中立軸の位置が変化することがあり、除荷後も元の形状に戻らず残留応力が生じる。
- 静定はりでは塑性ヒンジが1か所生じると塑性崩壊する。不静定はりは塑性ヒンジが増えることで塑性崩壊に至る。
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