モールの応力円【材料力学用語辞典】
zairiki
生活に役立つ材料力学
材料力学用語辞典では、材料力学で出てくる専門用語を分かりやすく紹介しています。今回の用語は「遅れ破壊」です。
この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

遅れ破壊とは、静的強度より小さい負荷が高張力鋼のボルトなどに一定時間作用し続けることで、突然脆性的に破壊する現象です。ほとんど変形せずに破壊するため、き裂の進行を事前に発見することが難しく、突然破断するという点が大きな危険性です。
発生には3つの条件が重なる必要があります。材料が高張力鋼(または超高張力鋼)であること、引張応力が作用していること、応力集中する箇所があることです。これらが同時に成立したときに遅れ破壊が生じます。

遅れ破壊の主なメカニズムは水素脆化です。高張力鋼の内部に水素が貯蔵された状態で、引張応力と応力集中が加わると脆性破壊が生じます。
対策の基本方針は「金属中の水素を減らすこと」です。製造時には酸洗工程やめっき工程の見直し、工程時間の短縮、ベーキング処理による水素放出などが有効です。使用時には塗装や油塗布による水素侵入の防止、および腐食環境での使用を避けることが重要です。材料を遅れ破壊感受性の低いものに変更することも根本的な対策の一つです。

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