材料力学用語辞典

シュミットの法則【材料力学用語辞典】

zairiki
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材料力学用語辞典では、材料力学で出てくる専門用語を分かりやすく紹介しています。今回の用語は「シュミットの法則」です。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

すべり系とは

「すべり系」と題したスライド。面心立方格子(FCC)・体心立方格子(BCC)・最密六方格子(HCP)の3種類の結晶構造について、すべり面とすべり方向をミラー指数で示した表が記載されている。面心立方格子のすべり面は{111}・すべり方向は<110>、体心立方格子のすべり面は{110}・{112}・{123}など・すべり方向は<111>、最密六方格子のすべり面は{0001}など・すべり方向は<1120>などであることが示されている。
主な結晶構造ごとのすべり系一覧。すべり系は結晶構造で決まり、FCC・BCC・HCPでそれぞれ異なる。

結晶のすべり変形は特定のすべり系(すべり面とすべり方向の組み合わせ)に沿って生じます。すべり系は結晶構造で決まり、面心立方格子(FCC)ではすべり面{111}・すべり方向<110>、体心立方格子(BCC)ではすべり面{110}・{112}・{123}など・すべり方向<111>が主なすべり系です。

シュミットの法則

「シュミットの法則」と題したスライド。左側に円柱状の試験片が示されており、荷重軸・すべり面の法線と荷重軸のなす角φ(ファイ)・すべり方向と荷重軸のなす角λ(ラムダ)・すべり面に生じる分解せん断応力τ(タウ)がラベルされている。右側に「分解せん断応力が臨界分解せん断応力(crss)を超えるすべり系ですべり変形が開始」と記載されている。
シュミットの法則。すべり面の法線と荷重軸のなす角φ、すべり方向と荷重軸のなす角λを用いて分解せん断応力τを求め、臨界分解せん断応力(crss)と比較してすべり変形の開始を判定する。

引張応力σが生じる単結晶では、すべり面の法線と荷重軸のなす角をφ、すべり方向と荷重軸のなす角をλとすると、すべり面に作用するせん断応力(分解せん断応力)τは幾何学的に次式で表されます。

τ = σ cosλ cosφ

この式のcosλ cosφをシュミット因子と呼び、0〜0.5の値をとります。シュミットの法則は、すべり系の分解せん断応力が材料固有の臨界分解せん断応力(crss)を超えたとき、そのすべり系ですべり変形が開始すると考える法則です。

まとめ

「まとめ」と題したスライド。①すべり変形が生じる面や方向は結晶構造に依存し結晶毎にすべり系が決まること、②単結晶に垂直応力σが生じるときすべり面の法線と荷重のなす角をφ・すべり方向と荷重のなす角をλとすると分解せん断応力τはσにcosλとcosφを掛けた式で表されcosλ cosφがシュミット因子で0から0.5の範囲の値であること、③シュミットの法則はすべり系の分解せん断応力が臨界分解せん断応力を超えるとすべり変形が開始する考えであること、の3点が記載されている。
シュミットの法則のまとめ。すべり系の決まり方、分解せん断応力の式とシュミット因子、およびすべり変形の開始条件を整理したもの。
  • すべり変形が生じる面や方向は結晶構造に依存し、結晶毎にすべり系(すべり面やすべり方向)が決まる。
  • すべり面の法線と荷重軸のなす角をφ、すべり方向と荷重軸のなす角をλとすると、分解せん断応力τ = σ cosλcosφ。cosλcosφがシュミット因子で0〜0.5の範囲。
  • シュミットの法則:すべり系の分解せん断応力が臨界分解せん断応力(crss)を超えるとすべり変形が開始する考え。

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