自宅で実験する材料力学

自宅にある道具だけで豆腐の曲げ強度を測定しよう!

zairiki
自宅で実験する材料力学
  • 材料力学の実験をして、物の変形や破壊を体感したい人向け
  • 自宅で材料力学を体感しよう!夏休みの自由研究にもお勧め!

豆腐は、包丁で切ったりどこかにぶつけたりしなくても、油断すると形が崩れてしまいます。
どのくらいの強度なのか気になりますね。専門的な装置を使わず、自宅にある物だけで豆腐の強度を測る方法を考えて、実際に測りましょう。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

1. 測定方法

豆腐の様に柔らかい材料をソフトマテリアルといいます。ソフトマテリアルは壊れやすく、代表的な材料強度試験の引張試験や曲げ試験をすることが難しいので、レオメーターなどの専門的な装置で強度を測定することが一般的です。ですが、今回は専門的な装置を用いず、自宅でできる強度測定方法を考案しました。

短冊状に切った豆腐をまな板の端に置き、指でゆっくり押してはみ出させます。はみ出した部分が自分の重さに耐えられなくなって折れるとき、まな板端部に在る豆腐の断面に最大曲げ応力が生じます。はみ出した長さLと豆腐の高さH・密度ρから、最大曲げ応力σmaxを計算すれば強度が求まります。この方法であれば、包丁とまな板とものさしがあれば豆腐の強度を測定できます。

「自宅でできる強度測定方法」スライド。まな板の端に置いた直方体の豆腐(白い試験片)を指で押している3Dイラスト。台からはみ出した先端部分が折れて落下する瞬間を描いている。はみ出た部分が自重で折れる様子を示す。
測定方法の概要。まな板の端から豆腐をはみ出させ、自分の重さで折れたときのはみ出し長さLを計測する。特別な装置は不要。

2. 測定結果

近所のスーパーで購入した絹ごし豆腐を使い、6回の試験を実施しました。各試験でL・Hを計測して強度σmaxを計算した結果を下に示します。豆腐の強度の平均値は3.42 kPaで、金属や樹脂と比べるとけた違いに小さいことが分かります。

「試験結果」スライド。6回の試験結果を表にまとめている。密度ρ=1.03×10^-6 kg/mm³、g=9.81 m/s²は共通。各試験のL0、H、L1、Lの値と、それから求まったσmax(kPa)を記載。σmaxは2.79、4.91、3.26、2.43、2.93、4.20 kPaで、ピンクの吹き出しで「豆腐の強度(平均値)3.42 kPa」と強調。
6回の試験で求まった絹ごし豆腐の曲げ強度。平均値は3.42 kPaで、文献値(参考値)と同等の結果が得られた。金属(数百MPa)や樹脂(数十MPa)と比べると桁違いに小さい。

結論

今回の結論。専門装置なしで豆腐の強度測定に成功し、文献値と同等の3.42 kPaを得た。
  • 豆腐などのソフトマテリアルは引張試験・曲げ試験が難しく、通常はレオメーターなど専門装置による破断試験で強度を測定する。
  • 豆腐が自分の重さで折れるときの応力を計算することで、自宅にある道具だけで強度測定できる方法を考案した。
  • 絹ごし豆腐を対象に6回試験した結果、強度の平均値は3.42 kPaで、文献値と同等の値が得られた。

YouTube動画でより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

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