材料力学に基づく筋トレ

マシンを使う筋トレ「ラットプルダウン」の効果が姿勢でどう変わるかを有限要素法を使って考えよう!

zairiki
材料力学に基づく筋トレ
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ラットプルダウンでは、胸を張らずに下に引く姿勢胸を張ってバーを胸に引き寄せる姿勢で、背中への効き方が変わると言われています。今回は有限要素法(FEM)を使ってマシンに引張られる負荷と自重による負荷が作用する状態を計算し、それぞれの姿勢で身体のどの部位にどの様な負荷がかかるかを比較しました。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

比較する2つの姿勢

ラットプルダウンの2つの姿勢の比較スライド。姿勢①は胸を張らずに真下に引く姿勢(上半身ほぼ垂直)、姿勢②は胸を張ってバーを胸に引き寄せた姿勢(上半身傾く)。おもりは30 kgで、姿勢①は真下、姿勢②は斜め方向に荷重が作用する。
比較する2つのラットプルダウンの姿勢。どちらもおもり30 kgと自重が等しく、姿勢の違いだけを比較する。

筋トレの負荷を表す指標として最大主応力(最も引張る方向の応力)を使います。姿勢を保持するには筋肉が縮んで引張の負荷に対抗する必要があるため、引張り方向の応力が大きいほど筋肉の負荷(=筋トレ効果)が大きいと評価します。

有限要素法による部位別の応力比較

2つの姿勢の背中の最大主応力を比較した棒グラフスライド。姿勢①(胸を張らない)は0.09 MPa、姿勢②(胸を張る)は0.14 MPaで、姿勢②は姿勢①の約1.6倍の背中の応力を示す。
2つの姿勢における背中の最大主応力の比較。胸を張る姿勢②の方が背中への負荷が大きい。

各部位の最大主応力の比較結果は以下のとおりです。

部位姿勢①(胸を張らない)姿勢②(胸を張る)
1.32 MPa1.04 MPa①が約1.3倍大
背中0.09 MPa0.14 MPa②が約1.6倍大

背中への負荷の違いの方が腕より大きく、胸を張る姿勢②は背中を鍛えるうえで効果的です。

まとめ

今回のまとめ。姿勢の違いで腕と背中への負荷が逆転する。
  • 胸を張らずに下に引く姿勢①は腕への負荷が大きい(姿勢②の約1.3倍)。上半身が垂直に近いため、背中が引張方向と直交し、背中への負荷が小さくなる。
  • 胸を張ってバーを引き寄せる姿勢②は背中への負荷が大きい(姿勢①の約1.6倍)。胸を張ることで上半身が傾き、背中が引張方向と近づくため。
  • 上記のメカニズムは、懸垂で背中に効く姿勢のメカニズムとよく似ている。

YouTube動画でより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

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