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降伏曲面、移動硬化、等方硬化【材料力学用語辞典】

zairiki
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材料力学用語辞典では、材料力学で出てくる専門用語を分かりやすく紹介しています。今回の用語は「降伏曲面、移動硬化、等方硬化」です。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

降伏曲面とは

「主応力空間と降伏曲面」と題したスライド。左側にσ1・σ2・σ3の3軸に応力成分が作用する微小要素の図、右側にσ1軸とσ2軸からなる主応力空間に斜めに伸びる円柱形状の「ミーゼスの降伏曲面」が描かれている。「ミーゼス相当応力=降伏応力の曲面」という吹き出しと「ミーゼス相当応力=0の直線」という軸方向の説明が付いており、「ミーゼス相当応力が降伏応力以上で材料は降伏する」という説明が左下に記されている。
3つの主応力を軸にとる主応力空間において、ミーゼスの降伏曲面は円柱形となる。曲面の内側が弾性域、曲面上が降伏状態を表す。

材料が降伏するかどうかは、応力の状態によって決まります。1軸引張では降伏応力と比較するだけですが、複雑な多軸応力状態では3つの主応力(σ1、σ2、σ3)すべてを考慮する必要があります。

3つの主応力を3軸にとる空間を主応力空間と呼びます。この空間において、材料が降伏する条件を表す曲面降伏曲面です。ミーゼスの降伏条件では、降伏曲面は主応力空間において円柱形となり、円柱の中心軸は静水圧を表すσ1=σ2=σ3の直線です。応力状態が曲面の内側にあれば弾性変形、曲面に到達したときに材料が降伏します。

π平面に写像することで、降伏曲面を2次元化できる。

降伏曲面は、π平面(3軸に等距離な平面)やσ1-σ2平面などに写像して2次元で扱われることが多く、ミーゼスの降伏条件は円や楕円として表されます。

移動硬化則と等方硬化則

「移動硬化と等方硬化」と題したスライド。表形式で「移動硬化」と「等方硬化」を5つの観点(降伏曲面の動き、弾性変形の領域、背応力の影響、繰り返し負荷、1方向の負荷)で比較している。移動硬化は「中心が移動・変化なし・有り」、等方硬化は「半径が増加・増加・無し」となっており、繰り返し負荷は両者とも「影響あり」、1方向の負荷は両者とも「影響なし」と示されている。各列のヘッダーには降伏曲面の変化を示す小さな円形の模式図が添えられている。
移動硬化と等方硬化の比較。繰り返し負荷の計算結果は硬化則によって大きく異なる。

材料が降伏すると塑性変形が進み、降伏曲面が変化します。この変化のモデルを硬化則と呼び、代表的なものに移動硬化則等方硬化則があります。

移動硬化則は、降伏曲面の中心が移動するモデルです。弾性変形の領域の大きさは変わらず、曲面全体が応力空間内を移動します。背応力(バウシンガー効果の原因となる内部応力)の影響を考慮できます。

等方硬化則は、降伏曲面の半径が増加するモデルです。塑性変形が進むほど弾性変形の領域が広がります。背応力の影響は考慮されません。

1方向の単調な負荷では両者の計算結果に差はありませんが、繰り返し負荷では計算結果が大きく異なります。そのため、繰り返し変形を扱う弾塑性解析では、硬化則の選択が重要になります。

まとめ

「まとめ」と題したスライド。①3つの主応力を3軸にとる主応力空間において材料が降伏する条件を表す曲面が「降伏曲面」、②降伏曲面はπ平面やσ1-σ2平面などに写像して2次元で扱われることが多い、③材料が降伏すると降伏曲面が変化し中心が移動するモデルを「移動硬化則」半径が変化するモデルを「等方硬化則」と言い1方向の負荷であれば硬化則の影響はないが繰り返し負荷の計算結果は硬化則で大きく異なる、の3点が赤枠なしで記載されている。
降伏曲面の定義と、移動硬化則・等方硬化則の違いのまとめ。
  • 3つの主応力を3軸にとる主応力空間において、材料が降伏する条件を表す曲面が降伏曲面。ミーゼスの降伏条件では円柱形となる。
  • 降伏曲面は、π平面やσ1-σ2平面などに写像して2次元で扱われることが多い。
  • 材料が降伏すると降伏曲面が変化する。中心が移動するモデルを移動硬化則、半径が変化するモデルを等方硬化則という。1方向の負荷では差がないが、繰り返し負荷の計算結果は硬化則によって大きく異なる。

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