材料力学用語辞典

熱応力【材料力学用語辞典】

zairiki
材料力学用語辞典
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  • 材料力学に出てくる専門用語を理解しよう!

材料力学用語辞典では、材料力学で出てくる専門用語を分かりやすく紹介しています。今回の用語は「熱応力」です。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

熱応力とは

「熱応力」と題したスライド。左側に棒が温度T₀の状態で上下の剛体板に挟まれた様子、右側に温度T₁(温度上昇)後も長さL₀のまま拘束され圧縮応力σが生じている様子。右上に「熱ひずみ ε₁=α(T₁-T₀)→ひずみ0→圧縮応力 σ=-Eε₁」の計算式、下部に黄色枠で「熱応力:熱変形によって生じる応力」と定義が示されている。
両端を拘束された棒が温度上昇すると、熱変形が妨げられて圧縮の熱応力 σ = −Eα ΔT が生じる。

材料に温度変化が生じると熱変形が起こりますが、その変形が何らかによって拘束されると内部に応力が発生します。この温度変化によって生じる応力を「熱応力」と言います。例えば両端を剛体壁で固定された棒を加熱すると、棒は膨張しようとしますが壁に阻まれて変形できません。このとき、熱ひずみ ε = α × ΔT が発生しようとするのに対し実際のひずみは 0 に抑えられるため、その分だけ圧縮されたことになり、圧縮応力 σ = −E × α × ΔT が生じます(E:縦弾性係数、α:線膨張係数、ΔT:温度変化量)。熱応力は、温度変化量 ΔT や線膨張係数 α が大きいほど、また縦弾性係数 E が大きいほど大きくなります。

熱応力の低減と活用例

「熱応力の活用例」と題したスライド。左側にバイメタル効果(線膨張係数の異なる2種類の金属を貼り合わせた板が温度変化で曲がる様子)、右側にバイメタルが電気スイッチとして使われている回路図(バイメタルが曲がって接点が外れ電球が点灯・消灯する様子)が描かれている。
バイメタルは異なる線膨張係数の2種類の金属を貼り合わせた部品。温度変化で一方が他方より大きく変形するため全体が曲がり、電気スイッチや温度センサーに活用される。

構造物では熱応力が破壊の原因になることがあるため、様々な低減の工夫が施されています。鉄筋コンクリートは鉄筋とコンクリートの線膨張係数が近い(どちらも約 12 × 10⁻⁶/℃)ため、温度変化による熱応力を小さく抑えられます。電子基板では、シリコンチップと基板(エポキシ)の線膨張係数の差を小さくするために、エポキシ樹脂にガラス繊維などを混ぜる工夫が施されています。線膨張係数の差や温度変化量を小さくすることが熱応力低減の基本的な考え方です。

一方、熱応力を積極的に活用する例もあります。バイメタルは線膨張係数の異なる 2 種類の金属を貼り合わせた部品で、温度変化により一方が他方より大きく膨張するために全体が曲がります。この性質を利用して、温度によってオン・オフする電気スイッチに使われます。また焼き嵌めでは、加熱によって穴のある部品を膨張させてシャフトを挿入し、冷却収縮時の熱応力で部品を強固に固定します。

まとめ

「まとめ」と題したスライド。①熱応力とは熱変形によって生じる応力であること、②構造物の熱応力を低減するには線膨張係数差や温度変化量を小さくすることが有効であること、③鉄筋コンクリートや電子基板など幅広い製品で熱応力を低減する工夫が施されていること、④熱応力を活用して焼き嵌めや電気スイッチなどが実用化されていることの4点が赤枠なしで記載されている。
熱応力の定義・低減の考え方・工学的活用例。
  • 熱応力:熱変形によって生じる応力。熱変形が拘束されることで生じる。
  • 構造物の熱応力を低減するには、線膨張係数の差や温度変化量を小さくすることが有効。
  • 鉄筋コンクリートや電子基板など、幅広い製品で熱応力を低減する工夫が施されている。
  • 熱応力を活用して、焼き嵌めやバイメタルを使った電気スイッチなどが実用化されている。

YouTube動画でより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

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