ひずみエネルギーとは?ひずみによって生じるエネルギーです!

zairiki
一歩踏み込む材料力学の教室【中級編】
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弾性変形させた材料が荷重を取り除くと元の形に戻ります。この元に戻る力の源が「ひずみエネルギー」です。荷重をかけるときに外力がする仕事が材料にエネルギーとして蓄えられ、除荷するときにそのエネルギーが変形に使われます。この記事ではひずみエネルギーの定義・求め方、弾性・塑性変形での違い、FEMや衝撃問題への活用を説明します。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。演習問題を含む詳細は動画をご覧ください。

1. 弾性変形のひずみエネルギー

棒に引張荷重をかけて弾性変形させると、荷重を取り除いたときに元の形に戻ります。これは、荷重をかける際に外力が仕事をして、そのエネルギーが材料に「ひずみエネルギー」として蓄えられるためです。

弾性変形の範囲では荷重 F と変位 u は線形に増加するため、外力の仕事は荷重-変位グラフの三角形の面積となり、ひずみエネルギー=Fu/2 で求まります。

単位体積あたりに蓄えられるひずみエネルギーは、応力を σ・ひずみを ε として σε/2 と表せます。フックの法則(ε = σ/E)を代入すれば σ²/(2E) とも書けます。

「ひずみエネルギー」のスライド。左:引張荷重(赤矢印)を受ける棒(黄色)の図。右:荷重Fと変位uの関係グラフ。弾性変形範囲で線形増加し、ピンク色の三角形の面積(Fu/2)が「外力の仕事」=ひずみエネルギーとして示されている。
棒のひずみエネルギーは外力の仕事に等しく Fu/2。荷重-変位グラフの三角形の面積で求まる。

2. 塑性変形のひずみエネルギー

応力が降伏応力を超えて塑性変形する場合、外力の仕事(応力-ひずみ曲線の面積)は2つに分けられます。

  • 塑性ひずみエネルギー:塑性変形に使われるエネルギー。大部分が熱エネルギーなどに変換され、材料には蓄えられない。
  • 弾性ひずみエネルギー:弾性変形分として材料に蓄えられ、除荷後の変形に使われる。

塑性ひずみエネルギーは熱に変換されて失われるため、除荷後の変形に使えるエネルギーは引張に要した仕事より小さくなり、除荷しても元の形に戻らない(永久変形が残る)ことになります。

ひずみエネルギーはFEM(有限要素法)の定式化の基礎となるほか、衝突・落下などの衝撃問題を力やモーメントのつり合いで扱いにくい場合にも活用されます。

「塑性変形のひずみエネルギー」のスライド。左:縦弾性係数E・降伏応力σyの直方体。右:応力-ひずみ関係グラフ。降伏応力σyを超えて塑性変形した後に除荷すると、黄色領域(塑性ひずみエネルギー)と赤領域(弾性ひずみエネルギー=除荷後の変形に使ったエネルギー)に分かれており、塑性ひずみエネルギーは蓄えられず弾性ひずみエネルギーのみが変形に使われることが示されている。
塑性変形時のひずみエネルギー。黄:塑性ひずみエネルギー(熱などに変換)、赤:弾性ひずみエネルギー(除荷後の変形に使われる)。除荷しても元の形に戻らないのは、塑性ひずみエネルギーが失われるため。

まとめ

「まとめ」スライド。①弾性変形では外力の仕事がひずみエネルギーとして蓄えられる。単位体積のひずみエネルギーはσε/2。除荷するとこのエネルギーによって元の形に戻る。②塑性変形では外力の仕事は塑性ひずみエネルギーと弾性ひずみエネルギーに分けられる。塑性ひずみエネルギーは熱エネルギーなどに変換されるので除荷しても元の形には戻らない。③ひずみエネルギーはFEMの定式化の基礎となり衝撃問題などを扱うときにも使用される。
ひずみエネルギーのまとめ。弾性と塑性変形の違いや活用例を紹介。
  • ひずみエネルギーとは、材料が変形するときに外力の仕事として蓄えられるエネルギー。弾性変形では Fu/2、単位体積あたりでは σε/2
  • 弾性変形では外力の仕事がすべてひずみエネルギーとして蓄えられ、除荷するとそのエネルギーで元の形に戻る
  • 塑性変形では外力の仕事が塑性ひずみエネルギー(→熱に変換)弾性ひずみエネルギーに分かれるため、除荷しても元の形には戻らない。
  • ひずみエネルギーはFEMの定式化の基礎となり、衝撃問題・落下問題などの動的な問題を扱う際にも活用される。

より詳細な説明や演習問題をYouTube動画で紹介しています。ぜひご覧ください。

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