材料力学用語辞典

真応力と真ひずみ【材料力学用語辞典】

zairiki
材料力学用語辞典
  • 材料力学を勉強している人、材料力学を使っている人向け
  • 材料力学に出てくる専門用語を理解しよう!

材料力学用語辞典では、材料力学で出てくる専門用語を分かりやすく紹介しています。今回の用語は「真応力と真ひずみ」です。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

公称応力・公称ひずみと真応力・真ひずみ

変形が小さいときは公称応力・公称ひずみが適し、変形が大きいときは真応力・真ひずみが適す。

通常の応力は荷重Fを元の断面積A0で割り、ひずみは変位uを元の長さL0で割って求めます。これを公称応力公称ひずみと呼びます。変形が小さい弾性変形や微小な塑性変形では、この公称の値で十分精度よく評価できます。

ところが、大きく塑性変形する場合、長さや断面形状が初期の寸法から大きく変化します。この場合、元の断面積や長さを使った公称値では実際の状態からずれてきます。そこで、断面積の変化を考慮した応力である真応力長さの変化を考慮したひずみである真ひずみ(対数ひずみとも呼ぶ)を用います。

塑性変形では体積が変化しないという性質を利用すると、真応力σtは公称応力σnと公称ひずみεnを用いてσt=σn(1+εn)と表され、真ひずみεtはεt=ln(1+εn)と表されます。

公称応力と真応力の比較

「応力やひずみの違い」と題したスライド。横軸を公称ひずみ(対数スケール)、縦軸を真応力と公称応力の比または真ひずみと公称ひずみの比としたグラフ。公称ひずみが小さい領域では両者の比がほぼ1で差がほとんどなく、公称ひずみが0.01を超えると差が大きくなり始め、真応力は公称応力より大きく(比が1以上)、真ひずみは公称ひずみより小さく(比が1以下)なることを示している。
公称ひずみが約1%(0.01)以下では公称値と真の値の差はごく小さく、変形が大きくなると差が無視できなくなる。

グラフの横軸は公称ひずみ(対数スケール)、青線は真応力と公称応力の比、オレンジ線は真ひずみと公称ひずみの比です。比が1に近ければ差は小さく、1から離れるほど差が大きいことを意味します。

公称ひずみが1%(0.01)以下では、真応力と公称応力、真ひずみと公称ひずみはほぼ等しく誤差は無視できます。一方、公称ひずみが1%を超えると差が目立ち始め、公称ひずみが10%(0.1)では真応力と公称応力の誤差は約10%、真ひずみと公称ひずみの誤差は約5%になります。一般に材料特性は数%のばらつきがあることを考えると、公称ひずみが数%以上の変形では真応力・真ひずみを使うことが推奨されます。

まとめ

「まとめ」と題したスライド。①変形が大きいと長さや断面積が初期とは変化し、それらの変化を考慮したものを真応力や真ひずみ、考慮しないものを公称応力や公称ひずみという、②真応力は公称応力に公称ひずみを使った係数を掛けた式で求まり、真ひずみは公称ひずみの自然対数をとった式で求まる、③応力やひずみの許容誤差が数パーセントのとき公称ひずみが数パーセント以上で真応力や真ひずみを用いるべき、の3点が赤枠なしで記載されている。
真応力・真ひずみの定義、公称値との関係式、および使い分けの目安のまとめ。
  • 変形が大きいと断面積や長さが初期から大きく変化する。断面積の変化を考慮した応力を真応力、長さの変化を考慮したひずみを真ひずみ(対数ひずみ)という。寸法変化を考慮しない従来の定義を公称応力公称ひずみと呼ぶ。
  • 真応力σtは公称応力σnと公称ひずみεnを用いてσt=σn(1+εn)と表され、真ひずみεtはεt=ln(1+εn)と表される。
  • 応力やひずみの許容誤差が数%のとき、公称ひずみが数%以上の変形では真応力・真ひずみを使うべき。塑性加工など大変形を扱う場合には必須の知識。

YouTube動画でより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

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