自宅で実験する材料力学

物が壊れた形を観察して壊れた原因を調べよう!曲げとねじりによるチョークの破壊試験

zairiki
自宅で実験する材料力学
  • 材料力学の実験をして、物の変形や破壊を体感したい人向け
  • 自宅で材料力学を体感しよう!夏休みの自由研究にもお勧め!

物が壊れたとき、壊れたの形を見ると壊れた原因が分かります。チョークを曲げて壊した場合とねじって壊した場合では、破断面の向きが異なります。この違いが生まれる理由を、脆性材料の破壊理論(最大主応力説)をもとに説明します。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

1. チョークの破壊試験結果

チョークを2通りの方法で破壊すると、破断面の形がまったく異なります。

  • 壊れ方①:軸に対して垂直に破壊
  • 壊れ方②:軸に対して斜めに破壊

この2つを見て、それぞれどんな負荷がかかったか分かりますか?

「チョークの破壊試験結果」スライド。左:壊れ方①——青いチョークが軸に垂直な面で真っ二つに割れ、2本に分かれている。右:壊れ方②——チョークが斜めに割れ、さらに複数の破片に崩れている。
チョークの破壊試験結果。壊れ方①(左)は軸に垂直な破断面、壊れ方②(右)は斜めの破断面で、見た目が大きく異なる。

2. 壊れ方から負荷を特定する

チョークは脆性材料であり、最大主応力が材料強度を超えると、最大主応力に直交する方向に破断します(最大主応力説)。

  • 曲げ:断面に垂直な引張や圧縮応力だけが生じる → 最大主応力は軸方向 → 軸に垂直な面で破断
  • ねじり:せん断応力だけが生じる → 最大主応力は軸に対して45°傾く → 斜め方向に破断

曲げとねじりでは最大主応力の方向が45°異なるため、破断面の向きも45°異なります。そのため、壊れた形を観察すれば、どちらの負荷で破壊したかを判別できます。

「負荷の特定」スライド。青いテキストで「壊れた形を見ることで、どんな負荷で壊れたかが分かる」と記載。左:壊れ方①⇒曲げ(軸に垂直な破断面)。右:壊れ方②⇒ねじり(斜めの破断面)。
壊れた形を観察することで、作用していた負荷(曲げかねじりか)を判別できる。

結論

今回の結論。壊れた形の観察と最大主応力説を組み合わせることで、破壊原因の負荷を特定できる。
  • 物が壊れたとき、壊れた形を観察することで原因となった負荷を特定できる
  • チョーク(脆性材料)は最大主応力説にしたがって破壊する。曲げでは軸に垂直に、ねじりでは45°斜めに破断するため、破断面の向きで負荷の種類を判別できる。
  • さらに詳しく調べるには走査電子顕微鏡(SEM)による破面観察(フラクトグラフィ)が有効で、破壊の起点や進展方向などを知ることができる。

YouTube動画でより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

再生できない方はこちらからどうぞ

関連する内容

自宅で実験する材料力学のシリーズ

材料力学の教室

材料力学用語辞典

身近な材料力学

HOME

ABOUT ME
生活に役立つ材料力学
生活に役立つ材料力学
材料力学分野の仕事に20年以上従事する博士(工学)が運営しています。
2022年にYoutubeチャンネルを開始し、動画数が増えてきたので探しやすくするために本サイトを開設しました。
ここで紹介する動画以外にもYoutubeには多くの動画が有るので、ぜひチャンネル登録もお願いします。
記事URLをコピーしました