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剛体変位【材料力学用語辞典】

zairiki
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材料力学用語辞典では、材料力学で出てくる専門用語を分かりやすく紹介しています。今回の用語は「剛体変位」です。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

剛体変位とは

「有限要素法の境界条件」と題したスライド。左側に荷重(赤い矢印)が作用する部材の3次元図、右側に固定なしで荷重を与えた場合に部材が変形せずに全体が移動してしまった状態(輪郭のみの透明な図)が示されており、剛体変位が生じた状態を表している。
固定なしで荷重を与えると、力のつり合いが成立しないので静的な安定状態が求まらない。

剛体変位とは、解析対象が変形するのではなく、解析対象全体が平行移動や回転する現象です。有限要素法で適切に固定せずに荷重を与えると、反力が生じる箇所がなくて力が釣り合わないため、部材は変形せずに全体として移動し続けてしまいます。静的な有限要素法で剛体変位が生じる条件で荷重を与えると、計算が収束せずエラーになります。

一方、強制変位を与えるケースでは、計算は収束しますが解析対象は本来の変形をしません。剛体変位が生じる条件は本来計算したい条件ではなく、間違った境界条件であることがほとんどです。計算が収束しないときは、まず剛体変位の有無を確認することが重要です。

剛体変位の種類と防ぎ方

「剛体変位の種類」と題したスライド。左側にXYZ座標系の図で平行移動(x・y・z方向の3種類、青い直線矢印)と回転(x・y・z軸回りの3種類、青い曲線矢印)の合計6種類が示され、右側に部材の3次元図が配置されている。
剛体変位の6種類:x・y・z方向の平行移動3種類とx・y・z軸回りの回転3種類。静的なFEMではこれらすべてを止める必要がある。

剛体変位には、x・y・z方向の平行移動3種類とx・y・z軸回りの回転3種類、合計6種類があります。静的な有限要素法ではこれら全てを止める必要があります。面を固定する境界条件がある場合は自動的に剛体変位を防げますが、熱変形や内圧だけが作用する様なケースでは固定面がないことがあり、剛体変位を止めるための境界条件を別途設定する必要があります。

剛体変位を止めるには、余計な変形拘束を与えない工夫が必要です。例えば、単純に複数の点を完全固定すると、固定点間の距離が拘束されて実際には生じない変形拘束が加わってしまいます。6種類の剛体変位を全て止めながら、余計な拘束をしない様に設定する必要があります。

まとめ

「まとめ」と題したスライド。①解析対象が変形せずに解析対象全体が平行移動や回転する現象を剛体変位という、②静的な有限要素法で剛体変位が生じる条件で荷重を与えると計算が収束せずにエラーがでるが強制変位を与えると収束してしまうので要注意、③剛体変位を止めるには解析対象の変形を拘束しない様にしながらXYZ方向の平行移動とXYZ軸回りの回転を止める必要がある、の3点が赤枠なしで記載されている。
剛体変位の定義・FEMへの影響・防ぎ方のまとめ。
  • 解析対象が変形せずに、解析対象全体が平行移動や回転する現象を剛体変位という。
  • 静的な有限要素法で、剛体変位が生じる条件で荷重を与えると計算が収束せずエラーがでる。強制変位を与えると収束してしまうので要注意。
  • 剛体変位を止めるには、解析対象の本来の変形を拘束しない様にしながら、XYZ方向の平行移動とXYZ軸回りの回転(合計6種類)を止める必要がある。

YouTube動画でより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

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