有限要素法の積分点とは?節点とは別の点で、この点が無いと応力やひずみを計算できません!

zairiki
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有限要素法(FEM)の解析結果を見ると、節点での変位・応力・ひずみなどが出力されます。しかし実は、変位と応力やひずみは異なる点で計算されています。変位が求まる「節点」とは別に「積分点」という点が要素内に存在し、応力やひずみはこの積分点で算出されます。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。演習問題を含む詳細は動画をご覧ください。

1. 積分点とは

FEMでは要素剛性マトリクスを計算するために積分が必要ですが、複雑な形状を解析的に積分することは困難です。そこでガウス・ルジャンドル積分という数値積分法が用いられます。この積分で使う評価点が「積分点」です。節点と積分点の役割は以下の様に異なります。

  • 節点:要素の角や辺などに配置される点。有限要素法の計算によって変位が求まる
  • 積分点:要素剛性マトリクスの積分計算に使う評価点。要素内部に配置され、応力やひずみが求まる。節点の応力・ひずみは周囲の積分点の値から内挿や外挿して求められる。
「要素の節点と積分点」のスライド。左:2次元四角形要素の図(角4か所に節点を示す黒丸)。右:同じ要素を正規化座標(x'、y')に変換した図(角4か所に節点+内部に2×2=4か所の積分点を示す青丸、積分点の座標は±√(1/3))。
2次元四角形要素の節点と積分点の位置。節点は要素の角に配置されるが、積分点(青丸)は要素の内部に配置される。

2. 完全積分と低減積分

ガウス・ルジャンドル積分の積分点数によって、要素は完全積分要素低減積分要素に分類されます。どちらの積分方法を使っても計算は可能ですが、それぞれ注意点があります。

  • 完全積分(1次四角形要素)+曲げ変形:曲げ変形をせん断変形で近似してしまう「せん断ロッキング」が生じ、曲げ剛性を過大評価する。
  • 低減積分:積分点が少ないため計算コストは小さいが、「アワグラス現象」と呼ばれる実際には生じない変形モードが現れることがある。
「完全積分要素と低減積分要素」の比較表スライド。縦軸:四角形1次要素・四角形2次要素。横軸:低減積分・完全積分。1次要素:低減積分=積分点1個(中心に1点)、完全積分=積分点2×2個(4点)。2次要素:低減積分=積分点2×2個(4点)、完全積分=積分点3×3個(9点)。各セルに要素と積分点の配置図が示されている。
完全積分要素と低減積分要素の積分点数の比較。1次要素・2次要素それぞれで低減積分と完全積分の積分点配置が異なる。

まとめ

「まとめ」スライド。①有限要素法の要素剛性マトリクスを作成する時には、積分点と重みの積を用いて積分するガウス・ルジャンドル積分が用いられる。②要素は積分点数で完全積分と低減積分に分けられる。曲げ変形を1次の完全積分要素で扱うとせん断ロッキングが生じ、低減積分要素で扱うとアワグラスが生じることがある。適切な要素の選定が重要。③変位は節点で求まり、応力やひずみは積分点で求まる。節点の応力やひずみは周囲の積分点の値から求める。
積分点のまとめ。ガウス・ルジャンドル積分・完全/低減積分の特徴・節点と積分点の役割の違い。
  • 要素剛性マトリクスの計算にはガウス・ルジャンドル積分が用いられ、積分に使う評価点が積分点。積分点は要素内部に配置される。
  • 変位は節点で求まり、応力やひずみは積分点で求まる。節点の応力・ひずみは周囲の積分点の値から内挿・外挿して求める。
  • 積分点数により完全積分要素低減積分要素に分類される。1次完全積分要素で曲げ変形を扱うとせん断ロッキングが、低減積分要素ではアワグラス現象が生じることがある。

より詳細な説明や演習問題をYouTube動画で解説しています。ぜひご覧ください。

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