無料の3次元CADソフトFreeCADと無料のFEMソフトCalculixを用いて3次元構造の変形や応力を計算しよう!

zairiki
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今回は、無料の3次元CADソフト FreeCAD とFEMソフト Calculix(プリポスト:PrePoMax)を組み合わせて、3次元構造の変形・応力計算を行う方法を紹介します。これまでにCGソフトBlenderを使って形状モデルを作成する方法を紹介しましたが、今回は設計用CADソフトFreeCADを使うことで、より本格的なCAD→FEMのワークフローを実現します。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

1. 今回の例題

片持ち梁を例題として使います。長さ 100 mm・高さ 10 mm・幅 10 mm の梁の一端を固定し、他端に 10 N の荷重を加えたときの変形を計算します。材料は縦弾性係数 200 GPa・ポアソン比 0.3 の弾性体です。材料力学モデルで求めた最大たわみは FL³/(3EI) = 0.02 mm で、FEM計算の結果と比較します。

今回の例題:長さ100mm・高さ10mm・幅10mmの片持ち梁。縦弾性係数200GPa・ポアソン比0.3・荷重10N。最大たわみの理論値はFL³/(3EI)=0.02mm。
今回の例題。片持ち梁の一端を固定し、他端に 10 N の荷重を加えた場合の変形を計算する。理論値による最大たわみは 0.02 mm。

2. FreeCADで3D形状モデルを作成する

FreeCADは、Windows・Mac・Linuxに対応した無料の3次元CADソフトです。「パラメトリックパーツ」ワークベンチを選択し、以下の手順で梁の3D形状を作成します。①「ボディーを作成」→②「スケッチを作成」でXY平面を選択 →③四角形ツールで 100 mm × 10 mm の断面形状を描いて「閉じる」→④押し出しマークを選択して幅方向に 10 mm を入力。これで 100×10×10 mm の梁形状が完成します。

FreeCAD 1.0.0でXYスケッチ(100mm×10mm)を押し出し10mmして完成した3D梁形状。Part Designワークベンチの画面。
FreeCADで作成した梁の3D形状。XY平面にスケッチした断面(100×10 mm)を 10 mm 押し出して、100×10×10 mm の梁モデルが完成した。

3. STL形式でエクスポートする

PrePoMaxに形状を読み込むため、FreeCADからSTL形式でエクスポートします。「モデル」タブで Body を選択した状態で、「ファイル → エクスポート」を選び、ファイル形式に STL Mesh(*.stl *.ast) を選択して保存します。これでFreeCADでの作業は完了です。

FreeCADのファイルエクスポートダイアログでSTL Mesh(*.stl *.ast)形式を選択している画面。右側にはFreeCADで作成した梁の3D形状が表示されている。
FreeCADからのSTLエクスポート。「ファイル → エクスポート」でファイル形式に「STL Mesh」を選択して保存する。これでPrePoMaxへのインポート準備が完了する。

4. PrePoMaxでインポートする

PrePoMaxを起動し、3D・mm/ton/s/℃の単位系で新規プロジェクトを作成します。FreeCADで作成したSTLファイルをインポートし、要素分割(Max element size: 2 mm)を行ったあと、材料物性値を設定します。「Materials」をダブルクリック →「Elastic」を選択すると入力欄が表示されるので、Young’s modulus に 200000 MPa(= 200 GPa)、Poisson’s ratio に 0.3 を入力します。

PrePoMaxのCreate MaterialダイアログでElasticを選択し、Young's modulus=200000MPa・Poisson's ratio=0.3を入力している画面。右側には要素分割済みの梁が表示されている。
材料物性値の設定。「Elastic」を選択し、ヤング率 200000 MPa(= 200 GPa)とポアソン比 0.3 を入力する。

5. 境界条件と荷重を設定する

「Steps」で Static step(静的解析)を設定したあと、境界条件と荷重を設定します。「BCs」→「Fixed」を選択し、梁の端面をクリックすると固定する面が赤く表示されます。確認して OK を押すと固定端の設定が完了します。続いて「Loads」→「Surface traction」でZ方向の荷重に 10 N を設定し、反対側の端面を選択して OK を押します。

PrePoMaxで梁の端部に固定境界条件(Fixed)を設定した状態。梁の左端面が赤く表示されており、ツリーにBCs(1)としてFixed-1が登録されている。
境界条件の設定完了。梁の端部(左端面)が赤く表示され、固定されていることが確認できる。次に反対側の端面に荷重 10 N を設定する。

6. 計算結果:変位分布の確認

「Analysis → Run」で計算を実行し、「Results」を選択すると変位分布が表示されます。カラーバーの最大値に 0.02006 mm と示されており、材料力学モデルで求めた理論値 0.02 mm とほぼ一致しています。応力を確認したい場合は、表示変数の欄で「STRESS」以下の項目(MISES、主応力など)を選択すると応力分布に切り替えられます。

PrePoMaxの計算結果画面。変位分布(DISP ALL)が表示されており、カラーバーの最大値が+0.02006mmと示されている。梁は先端(右端)ほど大きく変形している。
計算結果の変位分布。最大変位は 0.02006 mm で、材料力学による理論値 0.02 mm とほぼ一致している。

まとめ

まとめ。FreeCAD・PrePoMax・Calculixはいずれも無料で使用でき、これらを組み合わせることで本格的なFEM計算が実現できる。
  • FEMの計算には①形状作成CADソフト、②PREソフト、③FEMソルバ、④POSTソフトが必要。今回は①FreeCAD、②④PrePoMax、③Calculixを組み合わせて使用した。
  • FreeCADではスケッチ→押し出しの手順で3D形状を作成し、STL形式でエクスポートしてPrePoMaxに読み込む。
  • 計算結果の最大変位 0.02006 mm は、材料力学の理論値 0.02 mm とほぼ一致。FEM計算の妥当性を確認できた。
  • 今回使用したソフトはいずれも無料で使用できる。これらを活用することでFEMが身近になる。

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