一歩踏み込む材料力学の教室【中級編】
- 初級編「ここから始める!材料力学の教」を見終わった人向け
- このシリーズで材料力学の踏み込んだ内容を理解しよう!
使い始めは問題なかったのに、しばらく使い続けると壊れてしまうことがあります。この様に、材料の静的強度より小さい荷重であっても、繰り返し加わることで破壊に至る現象が「疲労破壊」です。この記事では疲労強度の定義と、高サイクル疲労・低サイクル疲労の違いを説明します。
この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。演習問題を含む詳細は動画をご覧ください。
1. 疲労強度とは
材料をゆっくり引張って破壊するときの限界を「静的強度」と言います。一方、静的強度より小さい荷重であっても、同じ大きさの荷重を繰り返し加え続けると、ある回数を超えた時点で破断することがあります。
この「静的強度より小さい繰り返しの負荷で破壊する強度」を疲労強度と言います。繰り返す応力が大きいほど破断までの回数は少なく、応力が小さいほど多くの回数に耐えられます。
疲労強度の概念。静的強度より低い応力であっても、繰り返し負荷によって破断に至る(疲労破壊)。
2. 高サイクル疲労と低サイクル疲労
疲労は繰り返し回数とそのメカニズムによって、高サイクル疲労と低サイクル疲労の2種類に分けられます。
- 高サイクル疲労(104~5回以上):弾性変形範囲で生じる疲労。破断回数は応力振幅で整理されることが多く(S-N曲線)、平均応力の影響が大きい。自動車部品の振動など、速い繰り返し負荷で生じやすい。
- 低サイクル疲労(104~5回未満):塑性変形が支配的な疲労。破断回数は塑性ひずみ範囲で整理されることが多く(ε-N曲線)、平均応力の影響は小さい。電子部品の熱応力など、ゆっくりとした繰り返し負荷で生じやすい。
高サイクル疲労と低サイクル疲労の比較。発生回数・支配的変形・整理パラメータ・平均応力の影響がそれぞれ異なる。
まとめ
疲労強度のまとめ。定義・低サイクル疲労・高サイクル疲労の特徴。
- 疲労強度とは、静的強度より小さい繰り返し負荷で破壊する強度。繰り返す応力が大きいほど破断までの回数が少ない。
- 高サイクル疲労(104~5回以上):弾性変形が支配的。応力振幅で整理(S-N曲線)。平均応力の影響大。振動などの速い負荷で生じやすい。
- 低サイクル疲労(104~5回未満):塑性変形が支配的。塑性ひずみ範囲で整理(ε-N曲線)。平均応力の影響小。熱応力などのゆっくりした負荷で生じやすい。
- 設計では負荷の種類と繰り返し回数から高サイクル・低サイクルどちらの疲労を考慮すべきかを見極めることが重要。
より詳細な説明や演習問題をYouTube動画で紹介しています。ぜひご覧ください。
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