応力とは?応力を使うと何ができる?
- これから材料力学を勉強したい人や復習したい人向け
- このシリーズで材料力学の基礎を理解しよう!
「材料力学の教室【初級編】」の第2回です。今回は、材料力学で頻繁に登場する応力を紹介します。外力・反力・内力との関係、応力の定義、単位を説明します。実際に計算する演習問題も扱います。
この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。
1. 部材に作用する力(外力・反力・内力)
応力を理解するには、まず部材に作用する3種類の力――外力・反力・内力――を区別することが大切です。
下面が床に固定された棒の上端を引張る場合を考えましょう。棒には外から引張力が作用しており、これを外力と呼びます。棒は床に固定されていてどこにも飛んでいかないので、固定された位置で外力と反対方向の力が生じて釣り合っています。この、外力の反作用として他部材から受ける力を反力と言います。
では、棒の内部ではどんな力が生じているでしょうか?棒の途中に仮想的な断面を考えると、その断面の上下が互いに引張り合うことで力が釣り合っています。この部材内部で互いに作用し合う力が内力です。

2. 応力とは
同じ太さの棒に小さい荷重と大きい荷重を作用させた場合、当然、大きい荷重の方が変形しやすく破壊しやすいことが分かります。では、太さも荷重も異なる棒同士を比較するときはどうでしょうか?荷重と断面積の両方が違うので、どちらが厳しい条件か直感では分かりません。
そこで、太い棒を細い棒と同じ寸法に分割し、荷重をそれぞれに割り振って考えます。こうすると、同じ寸法の棒に作用する内力の大きさで比較できるようになります。さらに一般化すると、内力を断面積で割った値を使えば、荷重や寸法が違う条件でも統一的に比較できます。

この、内力を断面積で割った値のことを応力と言います。一般に、応力はギリシャ文字のσ(シグマ)で表します。
σ = 内力 / 断面積

3. 応力の単位
応力は力を断面積で割った量なので、力と長さの単位が決まれば応力の単位も決まります。力の単位にはニュートン(N)を使います。1 Nは「1 kgの質量に1 m/s²の加速度を生じさせる力」のことで、たとえば体重60 kgの人が体重計に乗ると、60 kg × 9.81 m/s² ≒ 589 Nの力が体重計に作用します。
1 N/m² = 1 Pa(パスカル)
1辺1 mの角棒に1 Nの引張荷重が作用するとき、応力は 1 N / 1 m² = 1 N/m²。このNをm²で割る単位がPa(パスカル)です。

1 N/mm² = 1 MPa(メガパスカル)
機械部品のような小さな対象では、長さの単位にmを使うと数値が大きくなりすぎます。そこで、長さの単位にmmを使うことが多いです。1辺1 mmの角柱に1 Nが作用するときの応力は 1 N/mm²。これは 1×10⁶ Pa なので、1 MPaと表します。

応力の単位は、対象とする物の大きさに合わせてPaとMPaなどを使い分けます。建築・土木のような大きい構造物ではPa(kPaやGPa)を、機械部品のような小さい対象ではMPaを使うことが多いです。
4. 応力を計算してみよう
演習問題1:丸棒に生じる応力
問題:直径5 mmの丸棒に100 Nの引張荷重が作用するとき、丸棒に生じる応力はいくつでしょうか?
解答:応力σは「力 / 断面積」で求まります。丸棒の断面積は π × 5² / 4 mm² なので、
σ = 100 / (π × 5² / 4) ≒ 5.09 MPa

演習問題2:角棒にかけられる荷重の上限
問題:1辺5 mmの角棒に引張荷重を作用させたい。生じる応力を問題1の丸棒以下にしたい場合、かけられる荷重はいくつまででしょうか?
解答:荷重をFとすると、応力は F / 5² です。これが問題1の答え 5.09 MPa 以下になるFを求めると、
F / 5² ≦ 5.09 → F ≦ 127 N

このように応力を使うと、形状や寸法の異なる部材に作用する力を統一的に評価できます。応力は今後の材料力学で非常に多く出てきますので、しっかり押さえておきましょう。
まとめ
- 部材に外から作用する力を外力、外力の反作用として他部材から受ける力を反力、部材内部の仮想断面に作用し合う力を内力と言う。
- 応力 σ = 内力 / 断面積。
- 応力の単位はPa(=N/m²)やMPa(=N/mm²)などを使うことが多い。
- 応力を用いることで、形状や寸法の異なる部材に作用する力を統一的に評価できる。
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