衝撃応力とは?衝突などで瞬間的に生じる応力です!

zairiki
一歩踏み込む材料力学の教室【中級編】
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自動車の衝突やスマホの落下など、瞬間的に大きな荷重が加わる現象では、静的な荷重とは異なる「衝撃応力」が生じます。衝撃応力はエネルギー保存の法則を使って求めることができ、静的な応力の2倍以上になることが知られています。この記事では衝撃応力の考え方と求め方を説明します。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。演習問題を含む詳細は動画をご覧ください。

1. エネルギーの保存

静的な変形では、外力の仕事がそのまま部材のひずみエネルギーとして蓄えられます。

一方、衝突などの動的な変形では、衝突前に物体が持っていた運動エネルギー(および位置エネルギー)が衝突後に部材のひずみエネルギーへと変換されます。衝突時には音や熱もわずかに発生しますが、これらは小さいと仮定して無視すると、「衝突前の運動エネルギー ≒ 蓄えられるひずみエネルギー」という関係が成り立ちます。このエネルギー保存の法則が衝撃応力を求める出発点です。

「エネルギーの保存(動的な現象)」のスライド。左:球が棒の上に衝突する図。球には「衝突前の運動エネルギー」、棒には「蓄えられるひずみエネルギー」のラベル。音エネルギーと熱エネルギーは灰色(無視)で示されている。右:「衝突前の運動エネルギー ≒ 蓄えられるひずみエネルギー」の関係式。
動的な変形のエネルギー保存。音・熱エネルギーを無視すると、衝突前の運動エネルギーが全て部材のひずみエネルギーに変換される。

2. 衝撃応力の求め方

質量 M・速度 V0 の球が高さ h から棒(長さ L・断面積 A・縦弾性係数 E)に衝突する場合を考えます。「衝突するエネルギーが全てひずみエネルギーになる」「棒は弾性変形のみ」と仮定してエネルギー保存の式を立てると、棒に生じる衝撃応力の最大値が求まります。この式から次のことが読み取れます。

  • 常に静的応力の2倍以上:h や V0 の大きさに関わらず、衝撃応力は静的な応力(Mg/A)の少なくとも2倍になる。
  • h が大きいほど大:高い位置から落とすほど応力が大きくなる。
  • V0 が大きいほど大:速い速度でぶつけるほど応力が大きくなる。

衝撃応力が課題となる身近な例として、自動車の衝突・スマホの落下・ロケット発射時の振動・プレス加工などが挙げられます。

衝撃応力の求め方。エネルギー保存の法則から導いた式で、衝撃応力は常に静的応力の2倍以上になり、落下高さhや衝突速度V0が大きいほど応力が増大する。

まとめ

「まとめ」スライド。①衝突などで瞬間的に作用する荷重が「衝撃荷重」、衝撃荷重によって生じる応力が「衝撃応力」。②衝突する物が持つエネルギー(位置エネルギーと運動エネルギー)が全て部材のひずみエネルギーになると仮定するとエネルギー保存の法則にしたがって衝撃応力が求まる。③衝撃荷重や応力は自動車の衝突やスマホの落下・プレス加工など様々な場面で課題になる。
衝撃応力のまとめ。定義・エネルギー保存則による求め方・身近な課題事例を整理したスライド。
  • 衝突などで瞬間的に作用する荷重が「衝撃荷重」、それによって生じる応力が「衝撃応力」。
  • 衝突前の位置エネルギー・運動エネルギーが全て部材のひずみエネルギーに変換されると仮定すれば、エネルギー保存の法則から衝撃応力が求まる。
  • 衝撃応力はh・V0 の大きさに関わらず常に静的応力の2倍以上。落下高さや衝突速度が大きいほど増大する。
  • 自動車の衝突・スマホの落下・ロケット発射・プレス加工など、様々な場面で衝撃応力の評価が重要。

より詳細な説明や演習問題をYouTube動画で紹介しています。ぜひご覧ください。

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