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き裂の破壊モード【材料力学用語辞典】

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材料力学用語辞典では、材料力学で出てくる専門用語を分かりやすく紹介しています。今回の用語は「き裂の破壊モード」です。

この記事はYoutube動画で紹介した内容の概要です。詳細は動画をご覧ください。

き裂の破壊モードとは

「き裂の破壊モード」と題したスライド。3種類の破壊モードを3D立体図で示しており、左からモードⅠ(開口:き裂が上下に開く方向の変形で赤矢印が上下に向く)、モードⅡ(面内せん断:き裂が面内方向にずれる変形で赤矢印が前後に向く)、モードⅢ(面外せん断:き裂が面外方向にずれる変形で赤矢印が左右に向く)が示されている。
3種類の破壊モード。モードⅠ(開口)・モードⅡ(面内せん断)・モードⅢ(面外せん断)の変形方向の違い。

き裂先端は応力が∞になる応力特異場になり、応力拡大係数Kで評価します。き裂の破壊モードには以下の3種類があります。モードⅠ(開口モード)は引張応力によってき裂が口を開く方向に変形するモードです。割りばしを割ったりテープをはがすときの変形モードです。モードⅡ(面内せん断モード)はき裂面に沿った面内方向にせん断変形するモードで、地震による断層の変形などに見られます。モードⅢ(面外せん断モード)はき裂面に沿った面外方向にせん断変形するモードで、はさみで紙を切るときなどの変形です。

単独のモードだけでなく、複合的なモードになる場合もあります。モードⅡはモードⅠと比較して単独では起き難く、モードⅡが生じるとモードⅠも生じることが多いです。モードⅡが単独で生じるのは、圧縮場のようにモードⅠが生じない条件でせん断方向の荷重が作用した場合などです。

各モードの応力拡大係数

「モードⅠ 開口」と題したスライド。左に引張応力σ1を受け中央に長さ2aのき裂がある板の模式図、中央にき裂先端を拡大した開口変形の3D図(ピンク色の応力分布とき裂先端からの距離x)、右にモードⅠの応力分布式(σ=KⅠ/√(2πx))とモードⅠの応力拡大係数式(KⅠ=σ1√(πa))が示されている。
モードⅠの応力分布(σ=KⅠ/√(2πx))と応力拡大係数(KⅠ=σ1√(πa))。引張応力σ1が大きいく、き裂長さaが大きいほどKⅠは大きくなる。

各モードには対応する応力拡大係数(KⅠ、KⅡ、KⅢ)があります。モードⅠの場合、き裂先端の応力分布は σ = KⅠ/√(2πx) で表され、板が十分大きいときは KⅠ = σ1√(πa) となります(σ1は引張応力、aはき裂半長)。引張応力σ1が大きく、き裂長さaが大きいほどKⅠは大きくなります。モードⅡ・モードⅢでも同様に、それぞれのせん断応力とき裂長さによって応力拡大係数KⅡ・KⅢが決まります。これらの応力拡大係数を材料の破壊靭性値と比較することで、き裂先端の破壊の有無を判断できます。

複数のモードが生じるときのき裂先端周りの応力分布は下図の式で表されます。この様に、応力特異場であるき裂先端の応力は、3つのモードの応力拡大係数を用いることで表されます。

き裂先端周りの応力分布。3つのモードの応力拡大係数を用いて表される。

まとめ

「まとめ」と題したスライド。①き裂の破壊モードは開口方向に破壊するモードⅠ・面内せん断方向のモードⅡ・面外せん断方向のモードⅢの3種類ある、②応力拡大係数はモード毎にあり各方向の応力の大きさやき裂長さなどで決まる、③割りばしを割る時などモードⅠの事例は数多くモードⅠと比較してモードⅡは単独では起き難いが圧縮場などではモードⅡ単独の破壊が生じ易くモードⅢははさみで切る時などに生じる、の3点が赤枠なしで記載されている。
き裂の破壊モードの定義・応力拡大係数との関係・各モードの事例のまとめ。
  • き裂の破壊モードは、開口方向に破壊するモードⅠ、面内せん断方向のモードⅡ、面外せん断方向のモードⅢの3種類ある。
  • 応力拡大係数はモード毎にあり、各方向の応力の大きさやき裂長さなどで決まる。
  • 割りばしを割る時など、モードⅠの事例は数多い。モードⅠと比較してモードⅡは単独では起き難いが、圧縮場などではモードⅡ単独の破壊が生じ易い。モードⅢは、はさみで切る時などに生じる。

YouTube動画でより詳細に説明しています。ぜひご覧ください。

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